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戦略も、映像も、ブランディングも。「全部できる場所」を、CHホールディングスは作ろうとしている

CHホールディングス株式会社

CHホールディングス株式会社

AIの進化によって誰でも手軽に制作ができるようになったいま、映像やWEB、アプリ制作などを担うクリエイティブ業界は岐路に差し掛かっている。

そんななか、独自の体制で成長を続けているのがCHホールディングスだ。2012年創業の映像制作会社・エルロイを母体に、CGや撮影技術など専門領域の異なる複数の制作会社が横につながる、クリエイティブコングロマリットである。グループ各社が小・中規模だからこそ、スキルや人材の柔軟な横断が可能で、案件対応のスピードも軽やか。ホールディングスでありながら、一つの会社のような一体感を持つ。

なぜ、一つの巨大組織ではなく「小さな会社の集合体」であることにこだわるのか。そして、新会社Kujakuのスタートが、クライアントやグループにどのような変化をもたらすのか? ホールディングス代表の和田篤司さんと、新たにKujakuの代表に就任する山田隼人さんに、目指すビジョンを聞いた。

  • テキスト・インタビュー:原里実
  • 撮影:鈴木渉
  • 編集:吉田薫

なぜ大企業化せず「グループ制」をとるのか

—和田さんは2018年以降、映像関連企業を次々と設立し、現在はKujakuを含めて10社を擁するホールディングス体制を確立しています。単体の映像制作会社から、制作会社同士が横につながる現在のユニークな組織へと発展したきっかけを教えてください。

和田:2018年に同時に設立したのが、CG・VFX制作を手がけるSAZABIと、映像制作会社・デランシーでした。

たまたま、エルロイの編集チームリーダーだった小島伸夫が「CG会社に転職したい」と言い出して、「それなら一緒にCG会社をつくろうよ」と提案したのと、デランシー代表の平本恵一と一緒に「エルロイとは別の映像制作会社を立ち上げよう」と話していたのが同時期で。実際に2社を立ち上げてみると、これが案外うまく機能したんです。

CHホールディングス / エルロイ代表取締役・和田篤司さん。1980年生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業、早稲田大学大学院経営管理研究科(MBA)修了。大学を卒業後、株式会社ティー・ワイ・オーにてPMとして数多くのTV-CM制作を担当。2006年より株式会社サイバーエージェントで映像制作グループの立ち上げに関わる。2012年にエルロイを創業。2018年以降は、CG制作会社や撮影技術会社など映像関連企業を毎年度設立し、現在は10社を擁するホールディングス体制を確立。
CHホールディングスとエルロイの代表取締役を兼任し、クリエイティブ産業の構造変革に取り組んでいる

和田:ブランディング、WEB、デザイン、映像など、さまざまなクリエイティブ領域を横断して対応できる環境を整えており、こうした体制を私たちは「統合クリエイティブ」と呼んでいます。このように複数領域を連携させながら提供できる形は、同規模の会社のなかではまだ多くないのではないかと感じています。

というのも、クライアントのブランドマネージャーの方と話していると、「一社で広範囲任せられるところがなくて、そのぶんいろんな会社に細かく発注するのが大変だ」という声をよく聞きます。そういった需要にしっかり応えていけるホールディングスにしたいと考えています。

—一つの大企業として統合するのではなく、小さな制作会社が集まる「グループ制」をあえてとっているのはなぜなのでしょうか?

和田:大きな企業だと、どうしても部署間の壁が高く「その件は別の担当者に聞いてください」となってしまったり、担当が細分化されていて各プレイヤーのスキルが限定的になったりすることが多い印象です。

一方で、私たちは一社ごとの規模が大きくないからこそ、領域を横断できるメンバーが集まりやすく、横のコミュニケーションも密に取りながらスピード感を持って進められるのが特徴です。結果として、手触り感のあるアウトプットをクイックに出せる点が、クライアントにとっての価値につながっていると考えています。

和田:また、組織を運営する立場からしても、たとえば映像制作会社とデザイン会社では、マネジメントの仕方も社員の心のつかみ方も全然違います。だからこそ、「餅は餅屋」に任せるのがいちばんいい。

それに、「一つの会社の社長」という立場と、「デザイン部の部長」という立場では、どうしても本人の責任感の大きさが変わりますよね。

それぞれを個別の会社として究極の独立採算制をとることで、利益が出ればしっかり給与に還元でき、社員のモチベーションアップにもつながる。この形式でやっている会社はめずらしいと思いますが、いまのところ非常に手応えを感じています。

Kujakuのジョインで、「統合クリエイティブ」を前進させる

—今回、グループの新会社Kujakuをスタートされましたが、その狙いを教えてください。

和田:私たちが目指す「統合クリエイティブ」において、足りていなかった部分をプラス・強化することが一番の目的です。

Kujakuは、金沢を拠点とする制作会社・Hikidashiの代表を務められていた山田隼人さんとメンバーたちがジョインすることで設立されます。HikidashiはWEB制作に強みを持ち、上流設計からブランディングができるデザイン会社です。彼らの参画によってブランディング、WEB制作、グラフィックといったケイパビリティが新たにグループに加わります。

ーなるほど。Hikidashiの強みをそのまま活かすかたちなのですね。山田さんはこれまで主にどういったお仕事をされてきたのでしょうか?

山田:自分自身は、デザインだけではなく言葉をつくるのも好きで。なのでHikidashiでも、企業のミッション・ビジョン・バリューの策定や、ネーミングやロゴ制作といったブランディングに関わるコアな部分や、それと紐づいたWEB、紙など領域にとらわれない制作を得意としてきました。

株式会社Kujaku代表取締役・山田隼人さん。1984年金沢生まれ。石川県立工業デザイン科卒業後、金沢市内のデザイン事務所に10年間勤務。2013年Hikidashi設立、2017年取締役社長に就任。クリエイティブディレクターとして数多くの企業のクリエイティブを担当。NIPPONの47人 2015 GRAPHIC DESIGN石川県代表。受賞歴等に金沢ADC賞・新人賞、寿ビデオ大賞アクサダイレクト生命賞などがある。2026年4月より現職。

和田:山田さんはデザインのクオリティが非常に高いのはもちろん、プレゼン能力や企画のアイデアも素晴らしいんですよ。そこに惚れ込んで「ぜひ一緒にやりたいです」とお声がけしました。

—山田さんとしては、グループに加わることによって仕事にどのような変化が生まれると考えていますか?

山田:Kujakuには元Hikidashiのメンバーにくわえ、映像制作を手がけるグループ会社のデランシーとボールドタイプからも数人転籍することになっています。なので、わかりやすいところで言うと、強みとして「映像制作」が加わることは非常に大きな武器になると考えていますね。

ブランディングの文脈で「映像もつくりたい」というご要望をいただくことも多かったのですが、これまでは外部に頼らざるを得ない状況で、満足のいくスピード感やクオリティをご提供できないこともありました。

「Kujaku」という社名の由来でもあるのですが、今後はブランディング、グラフィック、WEB、そして映像など、多様な「武器(羽)」を活かして、クライアントにより大きな価値を提供できればと考えています。

和田:映像制作は比較的「映像のみ」の部分発注になりやすいのに比べて、WEB制作やブランディングはその仕事をはじまりにして、付随したデザイン、イベント、映像など、徐々にお任せいただく範囲を広げていく入口になりやすいのではないかと考えています。

そういった意味で、Kujakuがクライアントとグループ会社との接点をつくる役割を担ってくれたらいいですね。

山田:たしかに、そうなっていきたいですね。もともとHikidashiにいたメンバーとは長年一緒にやってきているので、「自分がコアとなる言葉をつくる」「それをメンバーがビジュアルにアウトプットする」という連携が非常にスムーズにできる状態です。これによって生まれる「言葉とグラフィックのリンク」という強みは変わらず大切にしつつ、今後はそこに映像とのリンクも加えながら、グループのネットワークも活かしてより大規模なプロジェクトにも挑戦していきたいです。

学びと成長の仕組み。勉強会・グループ内転籍制度

—働く場所としてのKujaku、CHホールディングスについてもうかがいたいです。仕事上ではグループ内で横のつながりも強いとのことですが、雰囲気はいかがですか?

山田:縦割り感のなさは、まだジョインして日が浅い自分も強く感じています。別会社とはいってもオフィスは一つなので、会社の枠を越えた気軽なコミュニケーションも多く、そこから仕事が生まれている。

心地よい活気に満ちた雰囲気で、クリエイターとしてワクワクできる環境だなと感じます。

和田:月に1度、グループ会社の代表が全員集まって新規事業のプレゼンを行う「BDC(ビジネスディベロップメントセンター)」に加えて、最近では次世代IPの制作を見据えたIP戦略会議を、領域を横断してメンバーをピックアップしながら不定期で開催するなど、会社の垣根を越えた意見交換や企画開発の場も積極的に設けています。

また、グループ内での転籍も可能で、本人のモチベーションや適性に合わせて別会社に移るほか、制作部から撮影部へなどのジョブチェンジもありえます。

基本的には本人の希望をベースに、社内のタイミングが合わなければ、グループ内の別会社の似たポジションを提案するなど、柔軟に対応しています。転籍といっても通う場所が変わるわけではないので、転職より気軽にトライできる点は、働いているメンバーにとってもメリットかもしれません。

「人柄を大切にしてやってきたからこそ、ここまでこられた」

—CHホールディングスが求める人物像も知りたいのですが、グループ各社の社風はそれぞれ異なりますか? 和田さんとして、そのなかでも共通して求める資質はあるのでしょうか。

和田:社風はそれぞれ大きく異なりますね。共通点でいえば「性格のいい人」くらいでしょうか。スキルはあとからでも育ちますが、素直さや、人に対して意地悪ではないといった根っこの部分は大事にしたいなと思います。

—人柄重視なのですね。Kujakuとしてはどんな方と一緒に働きたいですか?

山田:オフィスでPCの前にずっと座っているのが好きな人よりも、外に出て、いろんな人と触れ合うことに価値を見出す人がいいですね。クリエイティブの仕事って正解がないぶん、ただ目の前の制作作業をこなすだけだとどうしても成長に限界が出てきてしまう。

私たちの仕事は本来、クライアントの採用を増やしたり、売り上げに貢献したり、認知度を向上させたりすることを通じて、何かしらのかたちで社会に貢献する仕事だと思うんです。外でたくさんの人と出会い、対話することで、そうした広い視野で仕事をとらえられるようになるはず。

そういう意味では、好奇心や向上心があって、前向きな方。そしてまだまだ組織をゼロから育てていく段階なので、自分の領域に線をひかず、新しいことや変則的な状況を楽しめる方、「こういう仕事がしたい」「こういう自分になりたい」という明確な意思を持った方だと楽しく働いてもらえると思います。

Kujakuのメンバー

—ありがとうございます。最後にホールディングスとしてどのような未来を描いているかもお聞きしたいです。和田さんとしては、今後もさらに企業を設立していく想定でいらっしゃいますか。

和田:それに関しては、あくまでもいい出会いがあれば、と考えています。ガチガチに数字で目標を定めて、それを達成できなかったときに自分や周囲を追い詰めるみたいな会社の成長方針って、もうこれから必要とされない気がしていて。

もしいい人と出会えて、その人が社長をやると言ってくれるなら、1年に4社、5社と立ち上げることもあるかもしれない。でも、そうでないなら1社もつくらないかもしれない。これまでもそうやって人柄を大切にしてやってきたからこそ、ここまでこられたんじゃないかと思います。ある意味、運を天に任せつつ、これからも人との出会いを第一にやっていきたいですね。

Profile

CHホールディングス株式会社

CHホールディングスは、さまざまなクリエイティブ企業で構成されるホールディングカンパニーです。

映像プロダクションのエルロイ、デランシー、RECO、BOLDTYPE、massive、CG・VFX制作のサザビー、編集ジェネラリストチームのTorie、先端技術のCHAMELEON、撮影技術のカナンなど、多様な専門分野の企業が協力し、約70名のスタッフで総合ビジュアルソリューションを提供し、テレビCMやWEBムービーを中心に、WEBやイベントなど広範囲にわたる分野で実績を上げています。

また、CHホールディングスは起業プラットフォームとしても機能し、多くのクリエイティブ・スタートアップを創出し日本の創造産業の発展に貢献しています。

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