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「考える力」こそ土台。Mo-Green流「伝わるクリエイティブ」のつくり方

有限会社Mo-Green

叫ばれ続ける出版不況に、誰もが情報発信できるSNSの普及。メディアの役割が大きく変わろうとしている時代だが、「それでもエディターやデザイナーの仕事は、50年先も100年先も絶対になくならない。『伝える』ことには未来があります」と語るのは、制作会社Mo-Greenでクリエイティブディレクターを務める須藤亮さん。同社のアウトプットは雑誌から広告、WEBに販促ツールとさまざまだが、そのすべてに「伝える」ためのノウハウが凝縮されている。それでは、50年先も通用するクリエイターであるために必要なものとは何なのか。Mo-Greenを訪ね、そのこだわりに迫った。

取材・文・編集:立花桂子(CINRA) 撮影:丹野雄二(2019/07/19)

「モードなビジュアルも下水道のマニュアルも、同じ気持ちでつくる」

渋谷の喧騒を離れ、閑静な住宅が立ち並んだ南平台町にオフィスを構えるMo-Green。煉瓦造りの戸建てから、日夜さまざまなクリエイティブが生み出されている。

同社の特徴は、案件ごとに職種を横断したチームを組む制作スタイル。互いのやり方を知ることで、さまざまな視点から「伝える」力が身につくという。

クリエイティブディレクターを務める須藤亮さんが「モードブランドのビジュアルも下水道のマニュアルも、まったく同じ気持ちでつくります」と宣言するだけあって、そのアウトプットはじつにさまざま。ファッションカタログから一般誌、大学・専門学校の広報誌、WEBサイトまで、ジャンルレスなクリエイティブのすべてに「Mo-Greenらしさ」が息づいている。

クリエイティブの根底にあるのは、クライアントの「伝えたい」を伝えるというポリシー。まずは伝えたいメッセージありきでアウトプットを模索するのがMo-Green流だ。

今回はそれぞれの職種で活躍するスタッフに話をうかがい、「伝わるクリエイティブ」を生み出すためのMo-Greenイズムに迫った。

何より重要なのは「聞く力」。Mo-Greenの編集ノウハウとは?

まず訪ねたのは、いわゆる編集を担当するディレクターチーム。クリエイティブディレクターの須藤亮さんは、「どんなにメディアのかたちが変わっても、伝えたいメッセージを伝えるためには編集やデザインの力が絶対に必要。これは50年先、100年先でも変わりません」と話す。なぜMo-Greenでは「伝える」力が身につくのだろうか。

須藤:いちばん大切なのは「聞く力」です。クライアントの「本当に伝えたいメッセージ」を深掘りするコミュニケーション能力ですね。話が上手でなくてもいい。余計なフィルターをかけずにクライアントとまっすぐ向き合い、相手を好きになることが必要なんです。

クリエイティブディレクターの須藤亮さん。経営や人事、プロジェクトの企画設計などに携わるほか、自社媒体『anna magazine』の編集長も務める

クリエイティブディレクターの須藤亮さん。経営や人事、プロジェクトの企画設計などに携わるほか、自社媒体『anna magazine』の編集長も務める

—なぜ「聞く力」が「伝える力」に結びつくのでしょうか?

須藤:テーマに基づいたさまざまな情報を集めて編み上げ、いちばん魅力的に伝わるようにつくるのが編集の仕事。そのためにはテーマの骨子がしっかりしていなければなりません。骨子がブレると、どんなにいいものをつくっても自己満足になる。ぼくたちはその「テーマ」を探すことをとても大事にしているので、しつこいくらいインタビューさせていただくんです(笑)。

—「聞く力」が大切だと思うようになったきっかけは何ですか?

須藤:以前、ある雑誌の編集を一冊任せていただいたときに、「かっこいい雑誌」のムードばかりを優先し、本質を考えないままつくったら編集長にお叱りを受けました。「おもしろいかもしれないけど、俺の言いたいことは伝わらない」と。そこで「プロセスが違うんだ」と気づきました。

何より重視すべきは、クライアントの「伝えたい」気持ち。それに応じてアウトプットをつくる、という順番に変えてから、会社がドライブし始めました。

—「聞く力」を養うために、編集者は何をすべきでしょうか?

須藤:対象に興味を持つ以外に方法はないと思います。相手の人となりや商品、サービスに興味を持つことで、クライアントすら気づいていない魅力が見えてくる。

ぼくたちはどんなジャンルの仕事もしますが、伝えたいメッセージがないクライアントとは仕事をしません。人のために何かがしたい人や、あらゆるものに興味を持てる人は向いていますよ。一般常識があれば、編集の経験も問いません。

実際に編集ディレクションチームで活躍している溝口加奈さんと梶山春菜子さんにも、「Mo-Greenらしさ」の秘訣を聞いた。

ディレクターの溝口加奈さん。入社5年目で、おもにファッション系の販促物などで編集を担当している

ディレクターの溝口加奈さん。入社5年目で、おもにファッション系の販促物などで編集を担当している

エディターの梶山春菜子さん。Mo-Green歴は2年ほど。現在は大学の広報誌や一般誌などをメインに手がけている

エディターの梶山春菜子さん。Mo-Green歴は2年ほど。現在は大学の広報誌や一般誌などをメインに手がけている

溝口:Mo-Greenはクライアントに寄り添って考える会社です。人の思いを大切にしていて、クライアントとの関係も和気あいあいとしている。なので、相談を聞いているうちに話が盛り上がり、そのまま新しい仕事につながることも多いんですよ。仕事相手というより、「仲間」として迎えていただく感覚です。

梶山:クライアントや外部のスタッフの方々にも、よく「Mo-Greenさんの現場は和やかだよね」と言っていただきますね。いろいろなジャンルの仕事ができ、発想の幅が広がるのも魅力のひとつです。

溝口:たとえばファッションの仕事でお世話になったスタイリストさんに、大学広報誌のスタイリングをお願いしたこともありました。案件によって、Mo-Greenらしいスタッフチームを組むことで、科学反応が起きるのがおもしろいです。

ライフスタイルブランド、アパレルブランドの販促物を手がけることも多いが、長いお付き合いのクライアントが多いのも特徴。「単に制作物をつくるだけにとどまらず、ブランドづくりそのものに深く関われるのがとても楽しいんです」と溝口さんは話す。

ライフスタイルブランド、アパレルブランドの販促物を手がけることも多いが、長い付き合いのクライアントが多いのも特徴。「単に制作物をつくるだけにとどまらず、ブランドづくりそのものに深く関われるのがとても楽しいんです」と溝口さんは話す

さまざまな案件のなかでも、帝京大学の学内広報誌はMo-Greenが10年以上にわたり制作しているもの。梶山さんはそのやりがいを「学生や教職員に向けて、あなたの大学にはこういう良さがあり、こんな学生がいるよと伝えるツール。新しく価値を見つけて伝える、雑誌づくりの魅力が凝縮された仕事です」と話してくれた

さまざまな案件のなかでも、帝京大学の学内広報誌はMo-Greenが10年以上にわたり制作しているもの。梶山さんはそのやりがいを「学生や教職員に向けて、あなたの大学にはこういう良さがあり、こんな学生がいるよと伝えるツール。新しく価値を見つけて伝える、雑誌づくりの魅力が凝縮された仕事です」と話してくれた

目指すは機能的なデザイン。「伝える」ために、すべてに理由をもたせる

続いてお話を聞いたのはデザイナーチーム。アートディレクターの三浦裕一朗さんは、「デザインに必要なのは機能性。ぼくたちは『アート』ができないんです」と、Mo-Greenのデザイン哲学を語ってくれた。

三浦:機能的なデザインとは、すべてに理由があるもの。色使い、フォント、レイアウト……すべて「なぜこれを選んだか」を説明できるようにデザインします。「誰に届けたいか」「何を伝えたいか」を手掛かりにするから、レイアウトを1ミリ動かすにも理由が生まれます。

そのためにはまず、人の感情を読む力が必要ではないでしょうか。「これをあの人に見せたらどう思うだろう」と想像する。「流行っているから」ではなく、なぜ流行っているのかという「時代の雰囲気」にまで考えをおよばせることが大切なんです。

アートディレクターの三浦裕一朗さん。デザインのチェックや全体のトーンの監修を務めるほか、ロゴなどのグラフィックデザインを担当することも

アートディレクターの三浦裕一朗さん。デザインのチェックや全体のトーンの監修を務めるほか、ロゴなどのグラフィックデザインを担当することも

—機能的なデザインをつくるためには、何が必要なのでしょうか?

三浦:客観視することですね。デザイナーは「自分好みのデザイン」をつくりがちですが、それを相対化して「サブカル路線ならこう、大人の女性向けならこう」と分類し、案件にふさわしいテイストを組み合わせる。そのために、普段まったく読まないジャンルの雑誌を読むこともあります。分析して自分のデザインに落とし込むことで、引き出しが広がりますから。

—Mo-Greenでは、案件ごとに編集者やデザイナーがチームを組んで進めるそうですね。編集者と一緒に取り組むことで、得るものはありますか?

三浦:編集者はビジュアルありきではなく、企画の中身ありきでラフをつくりますが、それでは「まっすぐ」すぎる場合がある。そのラフをどうひねったらより伝わるかを考えるのがデザイナーの醍醐味です。

ある意味、「ここにこの要素を置きたい」という編集者の意図はデザイナーにとって制約にもなり得る。けれどそれを活かしてデザインすることで、いままでにない誌面が生まれることもあるんです。デザイナーだけでは思いつかない発想力が身につきます。

三浦さんの下でチーフデザイナーを務める會澤明香さんも、Mo-Greenの「機能的なデザイン」に魅力を感じているクリエイターのひとりだ。

會澤:デザイナーは「これをやっておけばカッコイイでしょ」と感覚でデザインをすることもありますが、Mo-Greenでは誰もがデザインの意図を説明できる。

入社前は「カッコイイならいいよね」と考えることもありましたが、最近は違うと思うようになりました。意味の通っているデザインのほうが説得力もありますし、意図を考え抜いてつくることがデザイナーとしてのスキルアップにもつながります。

デザイナーの會澤明香さん。デザイン作業のほか、チームのスケジュール管理なども担当している

デザイナーの會澤明香さん。デザイン作業のほか、チームのスケジュール管理なども担当している

入社3年目にして、チーフデザイナーとなった會澤さん。仕事の幅の広さも、Mo-Greenの特徴だという。

會澤:ファッション系から大学の広報誌まで仕事は幅広いですが、すべてにMo-Greenらしい軸があります。私は入社3か月くらいで相撲のムック本を担当しました。相撲が好きで、ずっと本をつくりたかったので、「まさか3か月で夢が叶うなんて」と驚きましたね。やりたい気持ちがあれば任せてもらえる環境は、とても魅力的です。

相撲のムック本では初心者や女性も「相撲っていいな」と思えるデザインを目指し、「相撲っぽい」フォントをあまり使っていません。綴じ込みのカレンダーも、普通のカレンダーにはしたくなかったので力士の誕生日を入れたり、空いたページでトントン相撲をつくったり試行錯誤しました(笑)。

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紙媒体もWEBも本質は一緒。「わかりやすく伝える」ことが何より大切

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