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変化を楽しむ人、求む。「ボールド」なクリエイティブを生むmaxillaの思考

maxilla(株式会社Helixes)

ONE OK ROCKやSuchmos、米津玄師ら人気アーティストのMVにはじまり、アートワークのデザインや舞台演出、インスタレーションの制作まで幅広く手がける、株式会社Helixesのクリエイティブチーム「maxilla(マキシラ)」。 約10年前に仲間同士のコミュニティーとして始まってから、「停滞はゆるやかな死」という考えのもと、実績を積み上げるとともに活動範囲を広げてきた。 これまでメディアに露出せず、大胆で日本人離れした作品を粛々と世に送り出してきた彼らの、ぶれない「こだわり」とは。始動当初からのメンバーである志村龍之介さんと八木光平さんのお二人に、プロデューサー兼サウンドディレクターの鈴木聖也さんを交え、話を訊いた。

取材・文:村上広大 撮影:玉村敬太 編集:服部桃子、原 里実(CINRA)(2019/05/30)

仲間うちのコミュニティーが会社に。転機となったONE OK ROCKのMV受賞

いまから10年ほど前、仲間同士のゆるやかなつながりから生まれたというmaxilla。転機となったのは2013年のこと。ONE OK ROCK『The Beginning』のMVが、『SPACE SHOWER TV MUSIC VIDEO AWARDS』で受賞作品に選ばれた。

志村:活動を始めたのは2009年。ぼくは学生時代から、知人のバンドのMV制作や撮影をしていたのですが、その活動のなかで当時音楽雑誌の制作をしていた八木と知り合いまして。

株式会社Helixes CEO兼maxilla事業部ディレクターの志村龍之介さん

株式会社Helixes CEO兼maxilla事業部ディレクターの志村龍之介さん

八木:当時はぼくも大学生でした。それでぼくたち二人を含む数人で、さまざまなバンドのクリエイティブのサポートを始めたんです。とはいえ、その頃は松屋で牛丼も食べられないくらい困窮していましたね……。

株式会社Helixes COO兼maxilla事業部プロデューサーの八木光平さん

株式会社Helixes COO兼maxilla事業部プロデューサーの八木光平さん

志村:ONE OK ROCKさんのMVで賞をいただいたことをきっかけに、仕事の規模が大きくなっていきました。


ONE OK ROCK『The Beginning』

映像制作にとどまらず、舞台演出やアートワーク、インスタレーションの制作まで

以降、SuchmosやMAN WITH A MISSION、キュウソネコカミ、マキシマムザホルモンなど、そうそうたるアーティストのMVを手がけるようになった。なかでも、2017年に発表された米津玄師『春雷』のMVは、美術家のHouxo Que(ホウコォキュウ)による花のグラフィックとペイントディスプレイが印象的な映像だ。


米津玄師『春雷』

八木:この案件は、ぼくがプロデューサーとして入って、社内のディレクターと二人三脚で取り組みました。米津さんの人気はすでに不動のもので、ファンはもちろん、レーベルや事務所からも大きな期待を寄せられていたので、その分プレッシャーもありましたが、担当ディレクターがとにかく頑張ってくれました。もともとモーショングラファーとしてやってきた人なのですが、その経験や彼の好きなものが存分に活かされていると思います。

MV以外に、企業のブランドPVやアニメのオープニングムービーなども手がけるmaxillaだが、そのクリエイティブ領域は、映像制作にとどまらない。アートワークのデザインや舞台演出、ときにはインスタレーションの制作まで行うという。

志村:2015年にauが「Hello, New World」という大規模キャンペーンを展開した際には、六本木の東京ミッドタウンに『warp cube』というインスタレーションを制作しました。

LEDディスプレイで囲まれた巨大キューブのなかに入ると、360度の映像が投影され、万里の長城やグレートバリアリーフ、富士山といった世界の絶景を体感できるというものです。代理店からの依頼案件で、maxillaが担当したのは演出だけだったのですが、世界中を飛び回りながら、現地のプロダクションやカメラマンと相談して進めていきました。


warp cube

「停滞はゆるやかな死」。幅広い事業から生まれるシナジーとは

多事業化に伴い、maxillaの母体として株式会社Helixesを設立。maxillaのほかに、ウェブサービスやアプリケーションの開発などを手がける「Roppyaku」や、アパレルブランドの「名 [NA]」などを事業部として抱えるまでに成長した。

八木:maxillaとしていろいろなクライアントと仕事をさせてもらうなかで培ってきた力を、ほかのことにも活かせないか? という思いから、徐々に活動のフィールドが広がっていきました。

志村:社名であるHelixesの語源となった「helix」には「螺旋(らせん)」という意味があるんです。無限に上昇し続ける螺旋構造に、「前に進み続ける」ぼくたちの姿勢を重ねています。

停滞することって、ゆるやかな「死」だと思うんです。だからそれだけはしないように心がけています。たとえ失敗する可能性があっても、どんどんアップデートしていく。ほかにも会社はたくさんあるわけなので、ぼくらじゃないとできないことを常に探しているんです。

八木:実際、受託のほかに自社事業も手がけることで、シナジーが生まれています。例えばぼくは「comicspace(コミックスペース)」という漫画関連のウェブサービスを担当しているのですが、アプリやウェブメディアの開発、運営の経験はほとんどゼロの状態からスタートしたんです。そこで得た知見を、受諾案件の提案にも活かせるようになったし、可能性の幅が広がりました。

マンガの口コミ情報サービス「comicspace」

マンガの口コミ情報サービス「comicspace」

志村:ぼくは自社のアパレルブランド「名 [NA]」をプロデュースしているので、アパレル系のクライアントと仕事をするときは相手の立場に立って仕事ができますね。

「名 [NA]」が手がける、攻殻機動隊のロゴを使用したアパレル商品

「名 [NA]」が手がける、攻殻機動隊のロゴを使用したアパレル商品

志村:それから、「名 [NA]」はアニメや漫画、ゲームなどの作品ロゴを使用したアパレルを制作しているという意味で、「IP(知的財産)ビジネス」でもあるんです。この経験が活かされたのが、2019年に制作した、Netflixの『新世紀エヴァンゲリオン』全世界配信の予告PV。既存のコンテンツを活用するIPの知見があったぶん、攻めたアウトプットを展開できたと思います。


Netflix『新世紀エヴァンゲリオン』全世界配信予告PV

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ぶつかるときはとことん話す。「ボールド」なクリエイティブが生まれる理由