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アート業界のリーディング企業・カイカイキキのシゴトとは?

有限会社カイカイキキ

村上隆が率いるカイカイキキは、アートの総合商社として、国内最大級のアートフェア「GEISAI」の開催や国際的なアーティストの発掘育成を行っている。そのカイカイキキがプロデュースするギャラリーのひとつが中野ブロードウェイ3FにあるHidari Zingaroだ。現在、新しくギャラリーを出店するにあたり新しいメンバーを募集していると聞いて、Hidari Zingaroの店長、當麻篤さんにギャラリーオープンの経緯から求める人材について話を聞いた。

テキスト:早川すみれ 撮影:寺沢美遊(2011/06/01)

オタク・サブカルの聖地に村上隆のアートギャラリー

中野にあれば、気軽にアートに触れられるはず

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中野ブロードウェイといえば、オタク・サブカルの聖地としてマニアの間ではよく知られている場所。フィギュア、ゲーム、アイドルグッズなどを扱う小店が軒を連ね、平日にもかかわらずたくさんの客で賑わっている。その中で、ひときわシンプルで洗練された白い一画。周囲の店とは明らかにテイストが違う、その場所がHidari Zingaroである。

「中野ブロードウェイには昔から海外からのお客人をお連れしておりました。 皆さん大変喜ばれ、両手いっぱいにお買い物をされて行き、動けなくなることもしばしばでしたので、そうしたお客人の休憩所をモールの中につくったのが1号店でした。2年程ブロードウェイに通ううちに、きちっとしたお店を出そうと言うことになり、モールの中に存在していないアートとアンティークを中心としたストアというコンセプトでHidari Zingaroをつくりました」

カイカイキキは、東京元麻布にもKaikai Kiki Galleryを運営している。元麻布は、大使館・高級住宅街という土地柄もあって、展示作品にも客にも敷居が高い。それに比べて中野では、客が気張らなくてもふらっと入ることのできる路面店、気軽にアートと触れられる場所を目指しているという。そうした来訪者の気軽さと若手アーティスト支援というスタンスは、同社が主催するアートフェア「GEISAI(※)」と共通している。

「GEISAIもHidari Zingaroも、若い世代の発表の場。 ここをきっかけに羽ばたいていく作家を発見、育成することがなによりもやりがいのある仕事です。また展覧会の立て込みから、リノベーション、作家とのコミュニケーションまでを行っています」

※ 村上隆プロデュースにより2001年にスタートしたアートの祭典。アーティストが作品を鑑賞され、購入されるためのトレーニング・ルームであり、来訪者は気軽に「アートを買う」ことができる。

http://www.geisai.net

意識はつねに、世界へ向けている

スタッフには打たれ強さが求められます

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気軽なギャラリーとは言うものの、世界的に有名な「村上隆」のギャラリー。しかも海外VIPも訪れるとなれば、日本のアートシーンを代表する場所でもあるわけで、生半可な空間はつくれないのではないか。

「確かに、村上隆の看板を掲げている以上、細部にまで気を遣います。展示作品は村上本人が選定し、設営のときは数センチ単位まで細かくディレクションされますし、スタッフの礼節に始まり掃除にいたるまでチェックしますから、最初は厳しいと感じるかもしれません。でも、そうした細部にまで意識があるからこそ、世界中からお客様がわざわざ来てくださる場となっていると思っています。意識は常に国内ではなく、世界に向いています。スタッフはそれについていかなきゃいけないので、打たれ強さが必要ですね」

せっかくアートの仕事をするなら、一番すごいところでやりたい

「キレイごとばかりではない」アートの本質

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當麻さんがカイカイキキに入社したのは3年前で、約1年間、村上隆の事務サポートを担っていたという。では、當麻さんが、カイカイキキを職場に選んだのはなぜなのか。

「まず、アートが好きだったからですね。そして、せっかくアート関係の仕事をするのであれば、トップのところでやりたいと思ったんです。カイカイキキは村上隆をはじめ、タカノ綾、Mr.等の世界的なアーティストをマネージしている会社として有名でした。なので、『世界一のアート業務ってなんだろう』という好奇心で入って来ました。ここでは、普通は絶対に会えないような方と出会えるし、疲弊した日本の社会とは隔絶した熱気があります」

Hidari Zingaroには、国内外からびっくりするような大物ゲストがよく訪れる。それは、「日本という国を、内からも外からも見つめ直すことを提案しながら、世界へ日本のアートを紹介し続ける」村上の動きに世界が注目している証なのだ。

「カイカイキキでは基本、全てのインフォが関係者全員にシェアされています。ゆえに、手抜きはできません。たとえば僕にとって印象的だったのは、村上隆のこんな言葉でした。『日本における「芸能びと」は、身分の最下層を生きてきた。その自負を忘れたくない。最下層であるがゆえに、「まつりごと」の時には最高位の場でその芸能を披露できた。つまり階層を越境可能な存在。その中で商売をしてきているという心構えを忘れるな。自分の表現したいものを提案するなんて百年早い』。キレイごとばかりではないアート界の本質を熟知しているからこそ出てくる言葉だと思いましたね」

うつわは、「一番安価で買えるオリジナル」

専門知識より、まずはやる気

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そして現在、中野ブロードウェイのビル4Fでは、Hidari Zingaroの系列店「Oz Zingaro」出店の準備が進められている。Oz Zingaroでは、アート作品の他に、うつわの展示販売も行う予定。村上氏は、日本芸術の真髄を知る為に、10年ほど陶芸を研究してきた。コレクションは数万点に及び、その中から審美眼を駆使して作家やうつわをチョイスし販売していくそう。今回募集する「うつわ・骨董担当アルバイト」の人材が、出店に際しての大きな担い手になる。

「うつわ、陶芸は日本国内の大きな芸術的財産です。それはアニメや漫画のように、日本の風土に根付いています。ゆえに、安価で豊富な才能と巡り会えるのです。そんな芸術との最初の出会いをお店という場でつくっていく。この現場を築くための下ごしらえとして、在庫商品の管理や、お店でのプレゼンテーション方法の他、ギャラリーそのものもまだ完成していないので、これからの流れを一緒につくっていってくれる人を募集しています。とにかく、うつわ、陶芸がお好きな方には驚きの毎日であることは請け合いです」

求める人材は、つくられた年代も国もさまざまだという膨大な数のうつわを、まずはコツコツ把握する地道な作業ができること。何よりうつわに興味があること。そして、やる気と根気があれば、専門知識や経験は重視しないという。

最後に、「やる気さえがあればいい」というのは本当なのか、念を押して聞いてみた。

「アートやうつわに詳しくなくても、やる気次第でバイトから社員へステップアップする可能性もあります。一番困るのは、履歴書がまともに書かれていないこと。送られてきた履歴書を開くと、絵がバーンと描かれてあって、その横に『村上隆を有名にします!』とだけひと言、というものが過去にありましたが、間違っても面白いとは思われないし採用できません。社会人として最低限の常識があることは絶対条件。基礎があって、その上で個性豊かであることには問題ないのですが、奇抜な人が受け入れられると勘違いする人がたまにいらっしゃるので…」

今回募集しているのはアーティストではなく、あくまでもギャラリスト。日本のアートシーンを先導するメンバーの一員として歩む道のりへ、ぜひ足を踏み入れてみてほしい。