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あなたは現場型? 戦略型? ディレクターのキャリアパスを考える

株式会社博報堂アイ・スタジオ

スケジュール管理やチームづくり、企画や設計など、業務が多岐にわたるのがディレクターの仕事。デザイナーやプログラマーとは異なり、専門的な技術を持たなくても務まる職種ではあるが、力量次第で制作物の仕上がりが大きく左右される、重要なポジションだ。そんなディレクターのキャリアの先には、どんな未来を描くことができるのだろう。博報堂アイ・スタジオに同時に入社した二人のキャリアを例に、ディレクターのキャリアパスについて考えてみたい。

取材・文:梶山ひろみ 撮影:すがわらよしみ(2016/3/18)

ディレクターこそ、「コミュニケーションのプロ」であるべき!

今回お話を伺うのは、2010年に博報堂アイ・スタジオ(以下、アイ・スタジオ)に入社し、ディレクターとして働きはじめた山本恭裕さんと田中耕太さんの二人。同期で同じ職種だったにもかかわらず、現在二人は異なるキャリアを歩んでいる。山本さんはインタラクティブなデジタル技術を駆使したプロジェクトをプロデューサーとして手がける。いわば、「現場型」のディレクターだ。一方の田中さんは、グループ会社である博報堂に出向し、ストラテジックプラナーとして、クライアントの商品開発や広告戦略を担当する、「戦略型」のディレクター。まず、二人が入社後に共にしたアイ・スタジオのディレクター職について尋ねてみた。

山本:弊社でいうとディレクターは、デザイナーやエンジニアなど、実装スタッフの仕切り役です。スタッフを束にして、ボールを前に進めていくという役割です。

田中:「制作進行」という言葉からは裏方っぽい印象を受ける人もいるかもしれませんが、最終的に制作物の責任を負うのはディレクターです。「ディレクター」という言葉がついてくる以上、ただ進めるだけではいけない。実際にデザインしたり、プログラミングを書いたりはできない分、コミュニケーションに特化したポジションとも言えますね。弊社の場合、博報堂の営業や、クライアントと話す時間が他社と比較して圧倒的に長いということもあり、目線をひとつ上にあげて考える必要がある。

左:田中耕太さん(ストラテジックプラナー) / 右:山本恭裕さん(プロデューサー)

左:田中耕太さん(ストラテジックプラナー) / 右:山本恭裕さん(プロデューサー)

山本:ものを作る以前の戦略フェーズを考えたり、上流工程から関われることが弊社の特徴であり、強みだと思います。プロジェクトによっては、「制作会社」ではなく「クライアント」に近い立場で外部のパートナー企業に依頼を出すことも。どんな状況でも、やっぱりその人が入ることでチームが活性化するような人こそ、存在価値を発揮できるディレクターだと思っています。あらかじめ決まっているものを作るだけの仕事はないので、自分の頭で考えられないとダメ。頭を使う余地は存分にある仕事です。

単純にクライアントとクリエイターを繋ぐだけではなく、「責任者」としてプロジェクトの舵取りを行うべき仕事、ディレクター。ここからさらに、山本さんと田中さんのお二人がどんな「ディレクター道」を歩んできたのか、個別に紐解いていく。

【現場型】現場でしか味わえないやりがいが、自信に繋がっていく

山本さんは現在、IoTやリアルイベントなどのプロジェクトのプロデューサーを担当している。入社1年目に配属された部署では、モバイルサイトの制作進行からコーディング、解析レポートまで一通りを経験。その後も業務の大部分がWEBサイトの制作だったそうだが、4年目に担当したプロジェクトを機に、デジタルサイネージなどを駆使した「リアルなイベント」の色が濃いデジタル広告の責任者として仕事をすることに。

山本:ターニングポイントとなったプロジェクトでは、ユーザーが気軽にアプリを購入するための仕組みづくりが課題でした。そこで提案したのが、アプリの自動販売機。アプリを買うという非日常な体験を、缶ジュースを1本買うくらい日常的な体験へと繋げるための仕掛けでした。

しかしそれまでWEBサイトを作ることをメインで手掛けてきた山本さん。パソコンの画面上で人の心を動かす「広告」と、リアルな場で体験する「広告」とでは、作り方からして全くの別物だろう。

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山本:社内全体でもリアルなイベントを企画する前例がほとんどないという状況だったので、何から手をつけたらいいんだろうという感じでした。そこで学んだのは、対象を因数分解して考えることの重要性です。例えば自動販売機であれば、ハード、モニター、ソフトと分解することで、複雑な構造がシンプルに理解できるようになる。そうすると必然的に用意しなければならないものも見えてきて、「あ、これをやればいいんだ」とアイデアが浮かぶ。それ以来、仕事のやり方のひとつとして分解をして考えるという手段をとっています。

こうして山本さんは、WEBサイト制作のディレクターから、リアルイベントまで幅広く対応できるデジタルクリエイティブ全般のプロデューサーになっていったのだという。

山本:今ではWEBサイトを作る会社ならどこにだってある。だからこそ、WEBサイト以外の何かで付加価値を、と思いながら仕事をしていますね。例えばリアルなインタラクティブ広告となれば、WEBサイトでは「公開」するだけで済むところを、実施する場所に足を運んでトラブルがないか見届ける必要もある。これまでに想定外のトラブルもありましたが(笑)、そこを臨機応変に対応するのも仕事のうちです。大変さに比例して、そうしたノウハウが溜まっていくのも自信に繋がりますし、なにより現場でしか味わえないやりがいもあると思っています。

【戦略型】広告は「マーケティング」の中のひとつ。市場の動きから、広告戦略を考える

一方の田中さんは、自ら希望してアイ・スタジオから博報堂に出向したという珍しいキャリアの持ち主だ。アイ・スタジオではWEBサイトの制作などディレクター職を担っていたが、その後は出向先の博報堂で営業局を経て、マーケティング局に在籍。「今は、制作の現場には立っていない」と言い切る。制作の現場をあえて離れた狙いは、どんなところにあるのだろう?

田中:自分のなかでは、入社当時から今日まで方向性は変わっていないんです。広告の中でもWEB・デジタルに特化した知識を持って制作するディレクターもいますが、僕は広告をマーケティングの中のひとつとして捉えています。やりたいことを深めていった先に博報堂のマーケティング局で戦略を立てるという今の仕事にたどり着きました。

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現在の肩書きはストラテジックプラナー。クライアント企業のマーケティング戦略や新商品の開発、担当したプロモーションが世の中にどんな影響を与えているのか効果を分析し、次の手を考えている。

田中:広告会社に対し、どうやったら買ってもらえるかだけではなくて、どんなものなら買ってもらえるか、という段階での依頼が増えているように感じます。クライアントから「今、こんなものを作ることができるんだけど、どんな商品にしたら世の中に届けることができるのかわからない」といった悩みに応えるのも仕事のひとつ。例えば、お菓子の新商品を作るとなった場合、味は濃い方がいいのか、それとも薄い方がいいのか、食事代わりになるものがいいのか、間食で食べる方がいいのか……といった情報を、市場の動きと合わせてマーケティングの観点から提案していきます。

人の数だけ「ディレクター」の働き方も多様になる。

ここまで話を聞いて気になったのが、山本さん、田中さんが、それぞれ自分の進みたい方向に沿ったキャリアを築いているということだ。総勢300人のスタッフを擁するアイ・スタジオにおいて、キャリアづくりはどれくらい自由度があるのだろう?

田中:異動が簡単にできると言ってしまうと語弊がありますが、僕はわりかし会社にワガママを言って、チャレンジさせてもらっている方です。

山本:キャリアパスの築き方は比較的自由だと思います。与えられた仕事で結果を出して、信頼を積み重ねていけば、希望することが通りやすくなる印象です。なので、まずは与えられた仕事に対して全力で取り組み、結果を出さないといけません。

田中:最近だと、海外で働くことを希望して、インドネシア・ジャカルタにあるグループ会社に出向しているスタッフもいます。出向を通して何かを学び、いずれは戻ってきて仕事に活かすという選択肢があるのも、アイ・スタジオならではの働き方かもしれません。

最後に今後の二人の展望について聞いてみた。

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山本:デジタルやテクノロジーを使った事業を自分で作る側にまわりたいですね。そのためにはスキルをもっと身につけないといけません。これまで、よくわからないことをかたちにするまでのスキルを身につけてきました。でも、それをどうお金に換えるかというビジネス面でのスキルアップが必要なんです。それが今後3年の目標です。新しい事業を立ち上げるビジネス・プロデューサーと呼ばれる人と仕事をしていくなかで、そういう目標を設定しています。

田中:今、博報堂に出向して、アイ・スタジオの中にいるだけでは築けないスキルを身につけているところです。このスキルは、今後アイ・スタジオの中にも必要になってくるもののはず。戻ってきたときには、身につけてきたスキルをきちんと社内に継承できたらと思っています。

まとめ

デザイナーやエンジニアに比べて、技術力ではなく発想力や推進力、コミュニケーション力が勝負となるディレクター。今回は具体的に二人のキャリアモデルを挙げてみたが、その道のりは千差万別なはず。日々のめまぐるしい業務の中にあっても、ときには一度立ち止まって「自分の進むべきディレクター道」を考えてみることがあってもいいかもしれない。

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