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ライブコマースの新時代を築く。エンターテイメント空間『Live Shop!』って?

株式会社Candee

モバイル向けの動画事業を中心に展開するCandeeが、今年6月にソーシャルライブコマース『Live Shop!』を発表した。主にSNS上において影響力を持つインフルエンサーと一般の視聴者がリアルタイムでコミュニケーションを取れるライブ配信番組で、出演者がおすすめするアイテムを番組内で簡単に購入できるという画期的なサービスだ。これまでライブ動画9800本以上、モバイル動画1300本以上を企画から制作、配信までワンストップで行ってきたCandeeが考える、これからの「ライブコマース新時代」とは? 番組制作を担当するディレクターの渡部源一郎さんと、アートディレクターの長谷川直子さんに話を伺った。

取材・文:羽佐田瑶子 撮影:豊島望(2017/10/06)

制作過程では出演者第一主義! インフルエンサーと共につくる番組制作の裏側

『Instagram Live』や『LINE LIVE』など、スマートフォン向けのライブ配信がトレンドの今、動画サービスの新しい形として注目を集めるのがライブコマースだ。そもそもライブコマースは、インターネット上で動画を生配信し、動画中で商品を紹介・販売するというもの。中国では億単位で収入を得るインフルエンサーもいるほど市場が拡大し、話題を呼んでいる。Candeeが展開する『Live Shop!』とは、一体どのようなサービスなのだろうか。

渡部:インスタグラマーやモデルなど、インフルエンサーと呼ばれる方々と一緒にライブ配信番組を制作しています。出演者がおすすめする洋服や化粧品などを番組内で購入できるのが特徴です。動画制作のノウハウやナレッジを持つプロたちが番組をつくるので、個人のライブ配信とは大きく異なり、企画や美術セットなどの細部にまでこだわっています。

ディレクター 渡部源一郎さん

ディレクター 渡部源一郎さん

番組内で商品が購入できると言っても、テレビの通販番組とは少し違う。『Live Shop!』は「買うため」だけのサービスではないのだそうだ。

長谷川:テレビの通販番組では、出演者と視聴者による双方向のコミュニケーションはほとんどありませんよね。それに比べて『Live Shop!』はコメントすると出演者からすぐに返事をもらえたり、ハートのスタンプを送ると番組に反映されたり、出演者と視聴者が一緒に番組をつくっている感覚がある。もはや「ものを買う」場所ではなく、出演者との「コミュニケーションを楽しむ」場所なんです。たとえば、ライブの会場に行ったらテンションが上がって、物販でTシャツを買ってしまったというような経験ってありますよね。『Live Shop!』はそんなプラットフォームを目指しています。

渡部:『Live Shop!』のターゲット層は10代から20代までの感度が高い女性たち。そんな若い人たちに商品を押し売りしてもリアクションしてくれませんし、それは制作側のエゴになってしまう。そこで大切にしているのは、出演者が本当におすすめしたい商品を厳選して紹介するということです。

長谷川:私たちは「人気がある」という理由だけでインフルエンサーをキャスティングすることはありません。重要なのは本人に発信したいメッセージや意志があるかどうか。視聴者から支持される番組をつくるためには譲れないポイントですね。

出演者の熱量はエンゲージメントの増加に、そして結果として売り上げにつながっているそうだ。コンテンツづくりのプロとして、どのような番組づくりをしているのだろうか。

長谷川:テレビの場合は番組ごとに決められたセットがあり、そこに出演者が登場します。しかし『Live Shop!』の制作過程においては、インフルエンサーの世界観を一番大切にしているので、出演者の趣向に合わせてオリジナルのセットをつくり、映像デザインにも反映しています。そのため、好きなブランドや雑誌など、リサーチやヒアリングには時間をかけますね。そうすると出演者だけでなく視聴者も喜んでくれて、番組全体の雰囲気がグッと明るくなるんですよ。

渡部:僕も時間を見つけては出演者のInstagramをチェックするようにしています。彼女たちがよく訪れるカフェなどをリサーチして、実際にお店へ足を運んだり。最新のトレンドに触れていると、彼女たちの感覚やイメージを汲み取れるようになるので、信頼を得るきっかけにもなりますしね。まずは出演者の理解者になることが大事だと思います。

「ゆうこす」こと菅本裕子に見る、個性を活かしたエンタメ空間とは

『Live Shop!』の要は、出演者とコンテンツに集約される。サービス開始から、たった3か月ほどではあるが、影響力や発信力のある出演者と密に番組づくりをしてきた。その成果もあり、いくつか頭角を表す番組も出てきたという。その一つが、「ゆうこす」こと菅本裕子さんの『ゆうこすショップチャンネル』だ。

長谷川:ゆうこすさんは世界観がもともとはっきりしていたので、本人の好きなテイストをアウトプットに反映しやすかったですね。好きな色はピンク、好きなファッションは『Usagi Online』のような可愛らしい雰囲気のものと聞いていたので、テロップのデザインなどはリボンやハートをモチーフにしました。

アートディレクター 長谷川直子さん

アートディレクター 長谷川直子さん

渡部:彼女はONとOFFの垣根がなく、常に様々なツールを使いながら情報発信している方なので、自らの「見せ方」や「見られ方」をよくわかっていると思います。シンプルに可愛い世界観を表現するだけではなく、視聴者との距離感のつくり方や盛り上げ方がとっても上手なんです。

コンテンツをつくる際も出演者のキャラクターを活かしていると渡部さんは話す。最近もっとも反響の大きかった企画は、モデル・木村ミサさんの番組内での、ちょっとした仕掛けだったとか。

渡部:木村ミサさんの番組で、アイドルグループ「むすびズム」の宮島るりかさんをゲストに迎えた回がありました。お二人にクイズに答えていただくというシンプルな企画ではあるのですが、視聴者がヒントをコメント欄へ書けるようにしたんです。視聴者の中には、わざと間違わせようと誤ったヒントを出す方もいたりして(笑)。ゲストだけが楽しむ一方的な企画ではなく、コミュニケーションを図れるような仕掛けを細部に散りばめることが大切です。デザインにどれだけこだわっても、視聴者はすぐに飽きてしまいますからね。

長谷川:ライブだと変化を一緒に味わえて、参加できる面白さがある。『Live Shop!』におけるクリエイティブも、テロップや美術セットなど「外見」のことだけではなく、リアルタイムなコミュニケーションの演出そのものも含みます。たとえば、ある番組では、視聴者が自らのSNSアイコンを出演者の写真にどんどん変えていったことがあって。『Live shop!』はライブコマースではありますが、一つのエンターテイメント空間でもあるんだと痛感しました。

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