Special 特集・PR

CAMPFIRE広報の必勝法。キーワードは「スピード・無茶振り・リスペクト」?

株式会社CAMPFIRE

日本最大のクラウドファンディングプラットフォームを運営するCAMPFIRE。1年前は3人しかいなかったメンバーも、現在は68人まで増員。今年6月には総額6億円の大型資金調達を完了し、資金調達累計額が10億円に達するなど、急成長中だ。今回は、そんなCAMPFIREを支える広報・PR部のたけべともこさん、洪由理さん、山中直子さんを迎え、社内の実態やPRの秘訣について伺った。華やかで、煌びやかなイメージが一人歩きする「広報像」とは一線を画し、オリジナルのスタイルを貫いてきた彼女たち。これまでの常識を覆す、新たな広報のあり方に迫る。

取材・文:小沢あや 撮影:鈴木渉(2017/07/07)

未経験から攻めの姿勢へ。ゼロからつくりあげた広報チーム

「広報」というと、コーポレートブランディングやサービスのPR担当というイメージが強いが、CAMPFIRE・PR部の業務は多岐にわたる。メディアの取材対応だけでなく、社内の勉強会やイベントプロデュースも3人が担っているが、たけべさんと山中さんは他業界・他職種からのチャレンジだったという。それぞれの得意領域を尊重し合い、ゼロからチームをつくり上げてきたのだ。

―みなさんが広報としてCAMPFIREで働くことになったきっかけは?

たけべ:私は、PR部で一番の古株ですが、もともとはフリーランスのライターでした。178センチの高身長コンプレックスをきっかけに「お見合い相手を募集するプロジェクト」をCAMPFIREで立ち上げ、話題になって。それを見た代表の家入から声をかけてもらったんです。入社初日に、家入から突然「そういえば、ウチ広報いないんだよね」と言われて、広報をやることに……。もちろん私が未経験と知っていながらの無茶振りです(笑)。このチームの中で、経験者は洪だけなんですよね。

広報・PR部 洪由理さん

広報・PR部 洪由理さん

洪:そうなんです。以前はアパレルのPRをしていたんですが、業界に縛られずに働きたいと思って、しばらくフリーで活動していて。その時、今の上司に「PRチームの中で、メディア対応をしてくれるだけでいいから!」って誘われました。ところが、いざ入社したらPR部にはプレスリリースを書ける人さえもいなくて「広報ってなんですか?」という状態。営業資料もないから、チームとして機能していなかったし、意思統一もできていなかったんです。まずはPRをする上での土台をつくるところから始めました。当初聞いていた話とはまったく違いましたね(笑)。

山中:私は入社前まで、ファッションとアートに関するストア企画やWEBデザイン、編集などをやっていました。一時はフリーランスとして活動していたのですが、チームで大きく動ける環境に魅力を感じていたところ、CAMPFIREに誘ってもらって。周りに起業家や投資関係の友人が多かった影響もあり、お金の回り方や可能性に興味があったんです。CAMPFIREを通して、もっと探求してみたいと思い入社を決めました。

―未経験だった山中さん・たけべさんは、広報のノウハウやスキルをどうやって得たのでしょうか?

たけべ:入社当時は先輩もいないし、誰にも聞けなかったから、社外の勉強会やセミナーに参加していました。一生懸命勉強しても、何かを学んだら実績として即反映されるというものでもないし……。目に見える成果が出なくて、最初のうちは辛かったですね。

山中:私の場合は国内外の事例からPRについて調べたり、広報担当じゃなくてもヒントを得られそうな友人に時間をもらい業界について教えてもらったりしていましたね。最初は失敗も多かったんですけど「転んでもタダでは起き上がらないぞ」と思ってました。

広報・PR部 山中直子さん

広報・PR部 山中直子さん

―3人は、それぞれ得意領域も違うようですね。

洪:そうですね、それは伝え方ひとつでも大きく違ってきます。私はメディアの方々や一般の方に向けた伝え方を意識するけど、たけべはSNSでバズるかどうかという意識が強い。山中は「このカテゴリーなら、あのコミュニティにいるインフルエンサーから広がる」と、それぞれの点を繋ぎ合うことを意識しています。3人のバックグラウンドや得意な領域を活かしてPRを見ていますね。

たけべ:山中は他社のイベントに出ている人も把握していたり、トレンドをキャッチする力がすごいんですよ。洪は、メンバーと打ち解けるまでのスピードが異様に早かった。彼女が入社したことで、社内の空気が一気に変わりましたね。ただ二人とも、スケジュールを忘れたり危なっかしいところがあって……(笑)、進行管理は私が得意なので、そこはカバーするようにしています。

―お互いをリスペクトしながら、補い合うんですね。

たけべ:正直、最初は洪のキャラクターが得意ではなかったんです(笑)。私は学級委員タイプだけれど頭が固い、洪は時間にルーズな一面もあるけど押さえるところは押さえるタイプ。その違いがわかってからはうまくチームとして回るようになりました。業務が多岐にわたるので、勉強会で学んだことはほとんど役に立たなかったですね。メディアとの繋がりも、ゼロから始まったし。なので実践を通して教えてもらえたのは、とてもありがたかったですね。

売り上げだけにとらわれず「小さな火を灯し続ける」がミッション

「売り上げやメディア露出の数値で目標を設定してしまうと、大きなプロジェクトにだけ注力する組織になってしまう」と語る彼女たち。実はコーポレートの広報としてだけでなく、個々のプロジェクトにおいてもPRを担当しているのだ。CAMPFIREの企業理念は「小さな火を灯し続ける」。月500件ほど立ち上がるというプロジェクトを細かくケアするためには、全メンバーの協力が不可欠。周囲を巻き込むための、社内広報にも力が入るのだという。

―PRというと、社外に発信するお仕事がメインですが、みなさんは社内の架け橋も担っているんですよね。

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洪:たとえばCAMPFIREは、メンバーそれぞれがイベントなどに登壇することが多いんです。なので、社員の意識を統一するための社内広報が大切になってくる。新しいスタッフや事業部の取り組みを紹介する社内報も多く出しています。社内のことを知らず、外にだけ目を向ける広報って、嫌じゃないですか? 拡声器として発信するだけでなく、PRが「パブリックリレーションズ」というだけあって、社内外の「関係」を築くことが大事だと思うんです。

―実際に、各セクションを横断するプロジェクトで、手応えを感じたお仕事は?

たけべ:最近だと、『大正ロマン風「ハイカラさんルームウェア」妄想プロジェクト!』です。純粋な広報業務というわけではないけれど、クラウドファンディングのプロジェクトに直接関わるチャンスがあるのも、この仕事の醍醐味ですね。洪はメディア掲載につながりやすい見せ方を考える。私は元々CAMPFIREのユーザーだったので、企画ページの見せ方を提案しました。プロジェクトは幸先良くスタートし、結果的にファッションのジャンルでは過去最高額となる一千万円以上を集めることができたんです。ルームウェアはヴィレッジヴァンガードのオンラインでも販売されることになり、プロジェクトの担当者はもちろん、PR部としても大きな自信に繋がりましたね。

『大正ロマン風「ハイカラさんルームウェア」妄想プロジェクト!』

『大正ロマン風「ハイカラさんルームウェア」妄想プロジェクト!』

洪:あれは良いプロジェクトだった! 熱量もすごかったし。プロジェクトの発起人も、わからないことは聞いてくれたり、まさに野心家でしたね。

山中:主催イベントで思い入れが強かったのは『TechShop×CAMPFIREの本音の夜会!』ですね。クラウドファンディングはもちろん、自ら挑戦する人の背中を押したいという気持ちを込めてトークイベントを企画し、ゲストにライゾマティクス代表の齋藤精一さんとTechShopJapan代表の有坂庄一さんをお招きしました。このトークをきっかけに「初めてプロジェクトを立ち上げました」とか「クラウドファンディングに挑戦する友人を紹介したい」という声を多くいただくようになって。私にとって大きな手応えをつかめた出来事となりましたね。

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