Interview 私としごと

遊ぶように仕事したい。好きなことを全部やってきた、元サブカル少年の仕事観。

株式会社SCRAP
松田 直樹(制作ディレクター)

振り返ってみれば、演劇、音楽、映画など、自分の好きなことを全てやってきたと言う松田直樹さん。現在は、株式会社SCRAPにて、国内外で人気を博すイベント、「リアル脱出ゲーム」の企画制作を行っている。「遊ぶように仕事したい」と言い、それを理想にもわがままにも終わらせずに突き進んできた松田さんのお仕事遍歴と仕事観はどんなものだろう?

プロフィール

松田 直樹

1985年、京都市生まれ。同志社大学在学中より、「劇団」という枠を超えた活動を特徴とするヨーロッパ企画に在籍し、京都のインディペンデントフェス“ボロフェスタ”の運営に携わりながら、大学卒業後は映画に俳優として出演。その映画の宣伝をきっかけに映画業界に興味を持ち、映画会社就職のため上京。現在は「リアル脱出ゲーム」などでお馴染みのSCRAPにて企画制作ディレクターを務める。

「予期しないことが起きると、アドレナリンが出ちゃうんですよね(笑)。」

—それから現職であるSCRAPへと転職されるわけですが、どういった経緯で?

松田:ボロフェスタの立ち上げに関わっていたのが、SCRAP代表の加藤だったんです。上京してからもボロフェスタの手伝いは続けていたので、学生時代からずっと付き合いはあって。その頃は、ちょうどSCRAPが展開している「リアル脱出ゲーム」の人気が高まり、人が足りなくなっていて。そこで声をかけられたのがきっかけで、入社しました。ここでもやっぱり色々やっています。ゲームの「謎」を作る以外の仕事、たとえば会場とのやりとり、プロモーション、当日の現場仕切りなど、とにかくなんでも。

—「リアル脱出ゲーム」は、会場からストーリーから、毎回とてもユニークですよね? どうやって企画されていくんですか?

松田 直樹

松田:次にどんなことをしたいかというのを、社内でいつも話し合っているんです。毎回新しいことに挑戦していきたいなっていう考えは共有しているので、次は1回3000人の公演を行おうとか、病院を舞台に展開しようとか、先行したイメージがある中でピッタリ合う案件があれば企画を具体化していきます。次回の『進撃の巨人』とのコラボでは、ちょうど全国のスタジアムでやりたいなと考えていたので、ドームスタジアムツアーとして企画が進んでいきました。

—これだけ規模が大きくなってくると、リアルなイベントな分、色んなアクシデントもありそうですが……。

松田:もちろんたくさんありますよ。「リアル脱出ゲーム」でも、参加者がみんな同じタイミングで正解してしまい、一つのチェックポイントにお客さんが何百人もたまってしまったり。そんな時、無線で「今、お客さんがチェックポイントでパンク寸前です!」なんてキャッチすると、「しょうがないなぁ」なんて言いながら興奮して駆けつけて、現場の対処にあたりますね。本来ハプニングって起きちゃいけないんですけど、ワクワクするんです(笑)。

—……ハプニングが、嬉しい?

松田:いや(笑)、もちろん予定通りに物事が動く気持ちよさもありますよ。でもやっぱり予期しないことが起きるとアドレナリンが出ちゃうんですよね(笑)。予期せぬことがライブを面白くさせるし、それが現場の醍醐味だと思います。

—それを楽しめるのも、大事な才能なのかもしれませんね。

松田:トラブルを完全に排除しようとしたら、毎回同じものをやって、新しい要素を入れなければいいわけですから、面白いものは作れないと思うんです。もちろん、何か起きたら、それを反省して、次にどう活かすかも考えるし、それもまた本当に楽しいんですよね。演劇と同じで、本番が始まってからもやりながらアドリブを入れたりして、さらに面白くしていく。未完成な状態を完成形に持っていくのが好きなのかもしれません。

—あくなきトライ&エラー、という感じですね。

松田:はい。お客さんが感動して帰ってくれる状態を作るために、ストーリーを追加したり、演出を盛り上げたり、いつも考えています。運営上の待ち時間や、手荷物とか、いろんなストレスをどうやって軽減するかとか、そういった細かいところにも目を配って。お客さんの満足度を高める事が自分の満足にも繋がっている感じです。

「僕にとって、仕事は遊びの延長です。」

—次の試みは何かあるんですか?

松田 直樹

松田:個人的に、落語家さんと新しいイベントの準備をしているんです。立川吉笑さんという現在二つ目の落語家さんと進めているんですが、彼は数学をテーマに創作落語を作ったり、ギミックを用いた新しい落語をやっていて。ゲスト講師を呼んでテーマ毎にトークをして、そのお題で創作落語を行う、という試みを予定しています。そのフォーマットがいずれテレビに移行できたらいいなとも思っていて。「リアル脱出ゲーム」もイベントから、映画、テレビへと派生した。だから今度は会社と関係なく自分で立ち上げたイベントが、そんな風に展開していったら嬉しいですね。

—これまで好きなことを全部仕事にしてきた松田さんですが、そのコツってなんでしょう?

松田:僕にとって仕事は遊びの延長なんですよね。一緒にものづくりするチームで遊んでるうちに新しいアイデアが浮かんでくる。ヨーロッパ企画もSCRAPもそういうチームで、そういう中で、ものづくりに関われたことは、ラッキーだなと思っています。テレビや映画を観たり、ライブに行ったりする趣味も全部仕事に繋がっている。エンターテインメントを仕事にしているからこそ、休みの日とかプライベートとか境目なく過ごしています。友達と遊んでいるときも、いきなりレンタカー借りて遠出したり、ちょっと無茶な提案をして楽しんでますね。もちろん、トラブルが起きたときは、対処してます(笑)。

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松田 直樹
週刊誌
本離れが叫ばれている昨今ですが、週刊誌はいまだに大量に読んでますね。週に一度は片っ端から週刊誌を読むためにマンガ喫茶に行きますし。古い雑誌を読み返すのも好きで、実家に沢山置いているので、部屋がえげつないことになっています(笑)。たまに実家へ帰った時は、好きな雑誌引っ張りだして一晩中読んでしまいますね。10年後にまた読み返したりするのがいいんです。あの頃のファッションってこうだったんだなーとか。おじいちゃんが買っていた週刊ポストをこっそり読んだのが、週刊誌が好きになった始まりだったような気がします。

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