Column 連載

編集は愛だ。愛なんだ…。個性を出すための編集術

第1回:編集者によってメルマガはこんなに雰囲気が変わる

大野恭希(フリーウェブ編集者・メディアアドバイザー)

プロフィール

大野恭希
大野恭希

ギズモードジャパンの副編集長、2代目編集長を経験。現在はライター。プロモーション。メディア運営アドバイザー。新しいガジェットが好き。未来予測しつつメディアや社会の動きを観察するのが日課。

コラムを始めるきっかけ

はじめまして。4月までガジェット系のギズモードというブログメディアで編集長をしていた大野と申します。今はフリーでウェブ編集やメディアのアドバイザーや広告企画とか、なんだかいろいろやっています。メルマガ読んでもらった方は2度目の大野ですね。こんにちは。写真の人はただのフリー素材の人です。

コラム書くとか初めてすぎて何から書こうもじもじしてしまう…っと、こういう時に天気の話題とか時事ネタから入るのが社会人なんでしょうが、僕はそんなに出来た人間ではないので事のはじまりからお話ししましょう。こういう所だけ前置きはちゃんとしておきたいタイプなので。

最初にお仕事の相談がCINRAさんから来て、打ち合わせをしてる時によくある「んで結局なにしようか」的な話になったんですよね。その後なんとなくの流れで「CINRA.JOBでメルマガ配信してる」というのを聞いた僕は「それ編集する!メルマガ編集やったことないし!メルマガ編集してビフォーアフターを記事にするとかどうすか」と、飛びついたのがこのコラムのはじまりです。

やったことない事に飛びつく。気が向いたらとりあえずやってやれ。座右の銘です。はい。

なんで飛びついたかって言うと、常日頃から編集ってどんな仕事か分からない方も多いと思っていたのと、CINRA.JOBのメルマガを僕が編集して、配信したあとにコラムとして編集前と編集後の原稿をのせて「編集者によってこんなに温度差が出るんだよ〜」というのをお見せできたら、編集という仕事に興味を持つ人も増えるんじゃないか。という甘い期待を抱いたからでした。

編集とはざっくり言うと、企画を立て、ライターさんへ記事を書いてもらう原稿の依頼や、原稿の構成を考えたり、原稿の進行管理、メディア特性に合っているかの校正が基本的な編集業務でしょうか。

その他には、ウェブページのデザイン管理、ソーシャルメディア運営、広告案件の営業、ユーザーさんからの問い合わせ対応などなど多岐にわたります。

というわけで第1回の今回は、「編集者によってメルマガはこんなに雰囲気が変わる」という実例をお見せできればと思います。自分で言うのもあれですが、あんまり見られないと思いますこういうの。

個性を出しちゃおう

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最初にメルマガをいただいた時の冒頭がこちら。

今回は大野が初めて登場するということもあり、こういう所だけ前置きはちゃんとしておきたいタイプとして、またしても自己紹介から入ります。

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まぁ、全部書き換えてますね。

なんで書き換えたかというと、このメルマガはCINRA初の外部編集が加わったスペシャル号だったのと、僕の「個を出す」編集スタイルが組み合わさったからです。ネット上だと誰が書いてるかというのが見えにくいですし、人から人へ何かを伝えようとする時は、簡単に自己紹介するとどんな人が書いているのかをイメージできて伝わりやすくなるので「個を出す」ことにこだわっています。

あとは僕自身が飄々としてる性格を持ち合わせているので「適当感」も出しています。スクリーンショットだと「ちょちょっと」の部分ですね。文章に柔らかい感じを出せるのでこのやり方が気に入っています。

僕の場合は普段の口調をそのまま文章化しているので、自然と文章が柔らかくなります。そうすると、記事が人に話しかけるように表現できるというメリットがあります。自分の口から出るだろう言葉をそのまま文章化することで、そこに人がいるように感じられるはずだからです。

「こんな書き出しで大丈夫なんだろうかーー」というのは、自分の正直な感想です。初めて受けるメルマガの仕事なので結構不安だったんですよね。今回の場合そういう気持ちは隠さずに出してしまいました。

編集は三者の立場になって考えることがポイント

この後メルマガではCINRA.JOBに掲載されている求人企業の紹介が続くんですが、権利関係の都合でこの記事では紹介できないので「編集ポイント」だけお伝えしておきます。

メルマガでは3社の企業さんを紹介文付きで掲載しています。それぞれの企業さんが求人で何を伝えたいのか、メルマガ読者の方に何を知ってもらえたらいいのか、どうすればこの情報を扱えば有益になるのか。それを自分なりの視点で文章に起こして紹介しました。

それはつまり、「企業」の言いたいこと、「読者」が知りたい「だろう」こと、「自分」ならこれを言うだろうこと。これら三者の立場から考えてぴったりハマる言葉を見つけ出すことです(自分で書いてて思うけど難易度高いなこれ……)。メルマガでは最終的に記事を読んでくれる人が興味を持ってくれそうな話題を、企業の価値がもうちょっとだけ見えるよう文章にしました。例えば、掲載企業がデザインや映像制作を手がけた案件の中で、コンビニでよく見かけるドリンクや、著名クリエイターの特集で話題となったテレビ番組など、誰もが知っていそうなものを紹介するなどの工夫をしています。こういった企業と読者の方の接点を見つけ出すために、三者の立場から見る事が有効だと考えています。場合によっては自分を抜いて二者でもいいですね。

と、こんなこと言いつつも、もっと編集できたなぁと思う部分が多いので、もう一度リベンジしてみたいところです。

ちなみに、ライターさんが書いた記事を僕が編集する場合は、ライターさんの人物像を頭に描いて「その人が話している」ところを頭に思い浮かべて編集します。記事で個を出し、人間味・人格を持たせる感覚です。記事一つ一つでそれを積み重ねると、メディアとしての人格形成ができるのd…これ以上はメディア論になるのでまた別の機会にしましょう。

愛が大事なんですよね

三者の立場から編集していくときに大事なのは、その時だけでもいいから紹介するものを好きになってみることです。言い方がアレなので言い換えると、良いところを探し出してみる努力でしょうか。編集する対象物をのぞき込んで「これいい!」って思えるポイントを見つけ出し、それを人に紹介するのが編集ではないかなと。だから編集は属人的なものなのでセンスや個性が発揮されてしかるべき仕事だと思います。

愛だな愛…。愛がなきゃだめだ。愛だけでもだめだ。うん。

それでは!

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